2025年8月22日(金)にDIST.51 「モダンWebデザインワークフロー」を開催しました。
この記事では、当日のLTやセッションの内容をご紹介します。一部スライドも掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。
- 「デザインにブレーキをかけないエンジニアの動き方」
kinew CTO Katashin(Katashin) - 「インフラ視点で見る"ありがたい"フロントエンド 〜運用の笑顔を産む10のTips〜」
諸田 裕紀(MOROTA Yuki)
- 「大炎上プロジェクトを0から3ヶ月でリリース品質に変えたデザインエンジニアの極意」
AppleWorld Inc. 執行役員、D-THREE Inc. 代表取締役 Designer、Front-end Engineer、Back-end Engineer 菅原 陸 - 「モックドリブンのすゝめ:動きで伝えるデザイナーとエンジニアの連携術」
Studio, Inc. Designer / Front-end Engineer 小原 暢
デザインにブレーキをかけないエンジニアの動き方
まずはLTからご紹介します。はじめに登壇されたのはkinew CTO Katashinさんです。
Katashinさんは「エンジニアとして、デザインにブレーキをかけない動き方」をテーマに、実践していることを共有してくださいました。大切にしているポイントは次の3点です。
- まずはベストなデザインを
- デザイナーが実装を考慮してくれたとしても、それは本当に正しいか考える
- 実装可能性を判断するのはエンジニアの役割
- 技術的な懸念は後で
- 実装上の懸念をはじめに言うと、デザイナーの発想にブレーキをかけてしまう
- ノーと言わない
- 実装がめんどくさいだけ? 時間がかかるだけ?
- 本当にできない場合は、その理由を丁寧に説明する
インフラ視点で見る"ありがたい"フロントエンド 〜運用の笑顔を産む10のTips〜
続いて諸田 裕紀さんです。インフラエンジニアの視点から「こんな設計だと運用が楽になる!」という10個のTipsをご紹介いただきました。
- 調査系3選
- 監視系3選
- エラー監視
- パフォーマンス計測
- Health Check
- デプロイ系4選
- Feature Flag
- 環境変数管理
- ビルド情報埋め込み
- 段階的でグレード設計
デバッグ地獄から解放され、そのぶんUIを作る時間を生み出すことが「ありがたいフロントエンド設計」へと繋がる。運用時の改善にどう取り組むべきか、その視点を大切にされていました。
大炎上プロジェクトを0から3ヶ月でリリース品質に変えたデザインエンジニアの極意
ここからはセッションパートです。最初に登壇されたのは、AppleWorld Inc. 執行役員、D-THREE Inc. 代表取締役 Designer、Front-end Engineer、Back-end Engineer 菅原 陸さんです。
菅原さんは「大炎上したプロジェクトを、どうやって3ヶ月で“リリース品質”へと立て直したのか」について、実際の事例をもとに、プロダクトを最速で前進させる秘訣を解説してくださいました。
ポイントは「意思決定の速度をとにかく上げること」。そのための基本方針は次の3点でした。
- プロトタイプを最速で作る
- 最短でMVPを完成させる
- デザインとフロントエンド、サーバーサイドレンダリングを強くリンクさせる
さらに重要なのは、プロジェクトが確実に進んでいることが、ビジネスサイドに見えること。これによって相互の安心感が高まるのだそうです。
どんなプロジェクトでもスタートダッシュを大切にされているということで、まずは形にすることが最重要とおっしゃっていました。
モックドリブンのすゝめ:動きで伝えるデザイナーとエンジニアの連携術
続いては、Studio, Inc. Designer / Front-end Engineer 小原 暢さんです。
モックを軸としたデザインで、チーム全体の認識共有と創造力を促す、実装の実例的ワークフローをご紹介いただきました。
アニメーションの動きを伝える際に、「シュッと!」といった抽象的な表現が良いのか、それとも具体的な指示が良いのか?という問いを出発点に、両者のメリットが挙げられました。
- 抽象的な指示のメリット
- 相手の能力を引き出せる
- 指示する側の引き出しにないものが生まれるかも
- 具体的な指示のメリット
ただ、コミュニケーションの手段として言語化に頼りすぎると、どうしても言語化しやすいアウトプットに偏ってしまいます。そこで視覚と動きで伝えるモックドリブン開発が役に立ちます。メリットは次の通りです。
- 企画とデザインのヒントになる
- クライアントが喜ぶ
- 打ち合わせの段階で見せると、案件の主導権を握れる
- モックを作っておくと、別案件の再利用にもなる
- 技術的な検証も事前にできる
さらに小原さんは、モックを作るうえでのルールとして「なるべく単機能・プリミティブにする」ことを挙げました。デザインもロジックも作り込むことで、日々の鍛錬にも繋がると語られていました。
以上、DIST.51 「モダンWebデザインワークフロー」の参加レポートでした。
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